2023 大晦日

2023は本当に怒涛の一年だった。

あっという間に開幕したと思ったら瞬く間に12月31日を迎え、その間に起こった出来事の多さと密度をまだ消化しきれないまま年を終えようとしている。あまりにもたくさんのことがありすぎてまとめて振り返ろうとしても何が何だかわからないのでシンプルに月毎に書いてみる。

1月

プログラミングのブートキャンプを前の月に終えて前職に戻っていたので年末年始はびっちり働き、そして新年明けてからは転職活動に勤しんでいた。仕事から帰ってきては毎晩履歴書を作り応募しそしてポートフォリのためのコードを書く毎日。先が全然見えなくていつも心が折れそうだった。

2月

誕生日前夜に前職を辞め、キャリアチェンジのための転職活動に専念する。月中旬には来年のオーストラリア移住の下見も兼ねてパートナーとシドニーメルボルンを周る一週間。雰囲気やカルチャーから二人ともメルボルンに住みたい感じながらもまたこれは仕事次第。

同時期にに面接が二社最終面接まで進みタイミングが重なりすぎてとても難しい決断を迫られる(旅行中に二つ面接する羽目に)結局、現地のスタートアップにジュニアエンジニアとして働くことに決めた。

3月

新しい職場で新しい仕事を始める。終業後は帰ってきてぐったりの日々。でもこうして自分が新しく踏み出した業界で働けるなんて一年前に想像できなかったから充実感がすごい。そしてスタートアップなのでバンバン大きなこと任せられて怖いけど挑戦できる。

オークランドは毎年3月が芸術祭みたいになってていろいろなアートイベントが開催される。今年はオーストラリアのfirst nation peoplのダンスグループのパフォーマンスがとても良かった。

月末に知人グループのメンバーひとりが突然亡くなりしばらく放心状態であまり眠れない日々が続く。

4月

相変わらず毎日仕事についていくので必死な日々。何したか思い出せない。

5月

少しずつ仕事に慣れてきた。家の家具を片っ端から売ってホームセンターで買えるガレージ用の棚を部屋の真ん中の仕切りにして新しい小部屋を作る。その他にも新しい植物を迎えたりいらないものを売ったり居住空間快適計画を片っ端から実施。

6月

友達とディナーに行ったり、プログラミングのイベントに参加したり少しアクティブな日々。

7月

ニュージーランドの永住権が届く。7年住んでやっとここまで辿り着いたよ。大きな節目。

レコードプレーヤーを購入して近所の中古レコード屋さんを巡る週末が続く。あとは月末に国際映画祭が開催されたので今年は10本パスを持って映画を毎日一週間観る。

8月

犬と海へ行く。たくさん散歩へ行く。

りょうちゃんとzineの一部である交換日記を始める。毎日誰かへ何かを書くという喜び。久しぶりにこんなにたくさん書いた。

9月

友達が紹介してくれたコーヒーと陶芸のイベントに月一のペースで参加するようになる。毎回3時間くらいがあっという間に過ぎていく。手で直接何かを形にできる喜び。

10月

同僚に誘われて数回行ったボルダリングにハマり、一緒に週一で通うようになる。次の日、全身筋肉痛が続くけどパズル要素と登れた時の達成感にはかえられないものがある。

久しぶりのライブでPhony Pplを小さめのライブハウスで観たけどすごいインパクトで痺れた。

あとは初の総選挙に参加!ずっと参加したくてでも3年ごとだから居住権が取れてから少し待たないといけなかったけどやっとこうして直接政治に参加できた。

11月

家族旅行に参加しWhangarei Headsでのんびりする週末。オークランドから3時間も行けば風景も雰囲気も変わりまったく違う国へ来たみたいな感覚になる。ハイキングしたりデッキでボードゲームしたり。

12月

家族がオーストラリアから訪ねに来ていたので空港ピックアップや体調崩してしまったのでサポとしたりが月あたま。

仕事は佳境を迎え最後のリリースにわたしの大きなチケットが含まれていたのでめちゃくちゃ忙しくなる。

週末は友人たちや妹とボードゲームしたりして過ごす。

こちらのクリスマスは日本の正月みたいな感じで家族行事が増えるのでそれに参加してなんとか乗り切る。

年末は来年のオーストラリア移住のためにビザ申請準備と大掃除で大忙し。やっと今日一息つけた。

今年は本当にたくさんのことが起こって自分の中でもまだうまく整理しきれていないことが山積みでそれなのに静かに座って書いたり読んだり考えたりする時間が圧倒的に少なくてメンタル的にあまり落ち着けなかったように思う。

それでも一緒に何かを作れる喜びとか誰かと語り合う楽しさとかそんなささやかなクリエイティブだったり自分たちで何かを作り出す行為に心の安らぎを見出していたのはそこがわたしの目指したい場所だからなのかもしれない。

読みたい本、会いたい人たち、調べたいこと、学びたいこと。

来年はもう少し落ち着いて深呼吸して丁寧に向き合っていきたいし、もっとねえ一緒にこんなことしようよって声を出し、手を伸ばしていきたい。

(そして、一緒に何かしようよって言う人がいれば声をかけてほしい。秒で飛んで行くから)

ありがとう、そしてまた来年(明日)。

 

mugiho

ただただ日記を書くのは難しい

とても久しぶりにはてなブログを開いて読者になっている人たちの書き物を読んでいたら無性に「ただの日記」みたいなものが書きたくなってワードでいつも下書きするのだけど調子が悪いのでMacのテキストエディットを引っ張り出して日記らしきものを数ヶ月ぶりにでも書いてみる。

でもこれが難しいのが定期的に書いていないが故に何か大きな更新をしなければ、という変なプレッシャーがやってくること。いつもの日常を綴ればいいんだよって言い聞かせても久しぶりの更新なのだから数回続いて月間振り返りみたいなものをやらないtだよ、と頭の中でいろいろな声がわたしに囁きかける。

卒業して就職して新しい職場で気付けば8ヶ月ほどが経っていて時間ってこんな風にただ毎日を過ごしていくだけで過ぎ去っていくのかと当たり前のことにギョッとする。

先週は犬が初めて体調を崩していままでずっとピンピンしていたから獣医に連れて行っていろいろと検査をしてもらったけど何も異常はなくてとりあえずお腹の調子を整えるために茹でた鶏胸肉と白米をここ数日あげている。とても美味しいらしくて1日2回のご飯の時間をとても楽しみにしている。

仕事は相変わらず精神的なプレッシャーが大きくて直接お客さんとやり取りするポジションは本当に向いていないし続けられないなと毎日思いながら生活して借金を返済しないといけないので仕事へ向かう。それぞれの希望でリモートワークがまだ許可されているので私がオフィスへ出勤するのはもっぱら月に1-2回くらい。お客さんと電話でやり取りしないといけない時にだだっ広いフロアに並べられた机で周りに人が座っている状態というのはなかなかのストレスなのでいまの仕事と続けるならずっと家で働きたい。

私の休日は日曜日と月曜日なのでいつも土曜日の仕事が終わった後に一週間の食材の買い出しに行ってあとはのんびり過ごす。日曜日にパートナーを休みが重なる時は犬の長距離散歩へ出かけたり近所のカフェで朝ごはん食べたりする。月曜日は私だけの休みなので読みたかった本を読んだりカフェをぶらぶらしたり最近はずっと裁縫をしている。この間とても綺麗な重めのリネンの生地を母に渡されてワンピースを頼まれたので毎週月曜日はその制作に勤しんでいる。

裁縫をしていると時間がすっぽり抜け落ちたみたいに気付いたら夕方になっていることが多い。不器用だしまだまだ初心者だからなかなかスムーズにいかなかったり何度も調べて何がどうなっているのか紐解く、みたいなことをやっているから全然前に進んでいる気がしない。でもきれいに仕上げた縫い目を見た時の達成感と充足感に勝るものはない。やっぱり毎週続けてしまう。

ただそれだけ、のことを書くことって一番難しいのかもしれない。

2月日記

昔から誕生日を祝うことがあまり好きではない。自分の存在がまた少し死へ近づいたな、と母が作った誕生日ケーキを前にして心の中でよく思っていた。年齢が上がれば年を重ねていくことへの抵抗感や意味事態が薄れていくだろうなと思っていた。でも、同時に矛盾しているみたいだけど人の誕生日を祝うことがとても好き。私の大好きな人たちが生まれてきた日をこうして祝い続けられるということがただただ嬉しくて、存在してくれていてありがとうという気持ちでいっぱいになる。鬱陶しく思っている人もいるかもしれないけど私はなるべく大好きな人たちには愛を示し続けたいので誕生日はその機会の一つとして捉えている。

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私とパートナーは誕生日が一日違いで私が一日早い。パートナーに出会ってからいつも疎かにしていた誕生日という日が二人に合同誕生日という形で新たなイベントとなったのはとても新鮮だったし今まで自分の誕生日に対して持っていた嫌悪感みたいなものを少し払拭してくれる良い機会になった。何より相手の誕生日を祝うので精一杯なのでそれに釣られて私もじゃあついでに、みたいな流れになるのが楽で一緒に祝えることが嬉しい。出会ってから4年が経とうとしているけど時間なんてものは適当で主観的。私たちは自分たちのペースでここまで歩き続けてきた。これから先もずっとなんてことは考えたこともなかったけど、世界が目まぐるしく変わり続ける中で一緒に変わりながらもまだお互いをそれぞれの人生の中に組み込めて来られたことはとても幸運なことなのかもしれないと思っている。

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今月は仕事が忙しくて読みたいものが読めなかったりということも多かった。新しいスキルアップの研修が1月末にあってからそれの社内テストとレビュー期間を経てやっと来週から元々のスキルと新しく学んだもの二カ所で仕事を任せてもらえることになった。3月からは本格的にプログラミングやテクニカルの分野での独学を開始するつもりなのでさらに忙しくなりそう。それでもやっぱり本と映画は費やせるだけどの時間を費やしたいし知りたい、読みたい、観たいものがたくさんあるのでもっとうまく時間を使えるようになりたい。

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2月、あまりたくさんの本は読めなかったけど心がしーんと静まる(私の大好きなタイプ)映画にたくさん出会えたのが嬉しかったな。あとは良い音にもたくさん出会えた、良い月だった。

あとは昨年末に始めた編み物に加えて裁縫にも手を出し始めてしまった。とりあえずミシンに慣れるのが目的で2週連続でポーチらしきものを作ってみた。3月は簡単なトップスに挑戦したいと思っている。

読んだ本

今月読み終えたのは一冊だけ。
『The End of Loneliness』Benedict Wells
原作はドイツ語なので英訳されたものを読みました。ある家族の事件がきっかけできょうだい三人がバラバラになってしまった主人公が時間を経て家族や人とのつながりを築き直していくというストーリー。学生時代から大人へなるまでの過程を抜けてその先を描き続けた時間のスパンにも圧倒されたけど一番印象に残っているのは家族や愛する人との繋がりを築いた後も拭えない孤独、というものがそこにあり続けていてそれに蓋をするのではなく主人公の向き合い方の変化を捉えていたのがとても良かった。

あとは500ページ越えのフィクション
『The Most Fun We Ever Had』Claire Lombardo
これは二月頭に読み始めてつい一昨日までかかった。ある夫婦とその4人の娘たちのこれも世代を超えた物語。夫婦が出会うところから娘たちが生まれてそして彼女たちが自分たちの人生を歩んでいく過程。その中で娘たちが自分たちの両親に抱く複雑な思いや自分たちの人生やパートナーシップのあり方を投影していく物語の編み方が上手い。ただ設定や背景があまりにも白人サーバビアすぎて全体的に物足りなさが残った。

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聞いた音

2月のプレイリスト。
open.spotify.com

何百回も聞いた音は三人のアーティストのコラボLong Way Up by Courage, Bellah, kadiata。
open.spotify.com

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観たもの

2月は良い映画に溢れた月でどこから始めれば良いのかという感じですが。

2/6『ドライブ・マイ・カー』濱口龍介
どんなに近いと思っていた人でもどうしても見えないところは必ずあってそれが見えてしまった時に自分だったらどうするのか。それを相手に聞く前に答えがなくなってしまった時の悲しみや途方に暮れた気持ちとどう向き合っていけば良いのか。どこにも辿り着かないようで静かに登場人物たちが自分たちの物語に覚悟を持っていく過程を描いている、とても複雑だけどリアルな作品だなという印象。

2/7 『French Dispatch』Wes Anderson
ウェス・アンダーソンの映画はいつも芸術面での雰囲気や繊細さみたいなものに圧倒されているけど今回もその色がとても濃く、楽しい作品だった。雑誌のコラムを一つ一つ読んでいる構成はとてもThe New Yorker的な雰囲気があってhigh artが好きなオーディエンス向きだな。

2/15 『あの子は貴族』岨手由貴子
これを観ていて思い出したのが東京生まれの母が昔に話していた本当に東京で育ったお金持ちの人、という意味がとてもリアルにわかったし東京に出てくる人たちの人生のシビアさや地方各地の格差が心を掴んで離さない。ほとんど地方で育って東京で暮らしたことのある人にしかわからない辛さみたいあのがある。

2/21『湯を沸かすほどの熱い愛』中野量太
母親という役割に焦点が当てられているという印象もあったけど話が進むにつれて血縁関係を超えた場所にある愛や相手を思いやる気持ちの存在へと移行していったのがとても良かったしもっとこのような親密な繋がりの形が描かれるべきだなと強く思ったしラストが最高だった。

2/26『CODA』Sian Heder
昔にフランス版の『La Famille Bélier』を観ていてそれのリメイクだということを知らなかったので無性にどこかで観たことあるような?というのが終始頭から離れなかった。家族の中で唯一聞こえるということの責任と罪悪感と孤独が音楽や周りの人たちとの関わりから引き出されていて、聞こえる聞こえないといいのが問題なのではなくやはりそれを受け入れる受け入れないという判断をしている社会に問題がある。

2/27C’mon C’mon』Mike Mills
こんなにじわじわくるのは久しぶりで観ている間も終わった後も、何度もシーンを頭の中で再生していた。甥の面倒を見ることになった主人公が子供と過ごしながら悩んだり心臓が縮む思いをしたりなかなか思い通りにいかない日々を体験して姉が一人の母親として、女性として、どんな風に世界を見てきたのかというのが子供を通して共有されるというのが新鮮な描き方だなと思った。白黒で切り取られた街の雰囲気と主人公の仕事関係で行われる子供たちへのインタビューへのシーンがとてもリアルで音が自分の耳の直接入ってくるような不思議な作品だった。

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2月は忙しかったけど心に残る映画や本と出会えたのが一番嬉しかったな。あとは新しいことを始めるドキドキとわからなさが新鮮でやっぱりこの学んで試行錯誤している過程も楽しいなと改めて思い直しました。