1月のこと

02.02.2022

今年はデイリーダイアリーというものを初めて使っている。あらかじめ全ての日にちに1ページずつが割り振られていて日付を書く必要もなく今日の振り返りを記入できる。昨年は継続ができない自分に本当に悩まされた一年で今日は疲れているから、とか忙しかったからみたいな理由で諦めた何かはもう遠く彼方へ流れていってしまう。そんなわたしの三日坊主をなんとかしたい、というので楽に続けるにはというアプローチを取ることにした。日付もフォーマットも全て決められているデイリー日記は1ページという制限があるから長く書かなきゃという妙なプレッシャーに襲われがちな自分にとっては救われる思い。1月1日から昨日の31日まで毎日欠かさずページを埋め続けることができた、というのが今のところ今年のハイライト。内容も仕事の愚痴や報告から新しく見つけたアーティストや夕飯のメニューまで好きなことをランダムに書く。同時に週末にこれらのノートを読み返しながら一週間の振り返りみたいなものを書く。適当にNotionで作ったテンプレートにはハイライトやもっと取り組みたいこと、感謝していること、いろいろな面から見返せるような質問を入れた。ポイントは長すぎないこと。質問も回答もシンプルで好きなように答える。それぞれ1-2文くらいで収まる内容だし、全部で10問くらいしかない。これも意外に続いている。というのもこのベースになるデイリー日記が続いているから一週間を振り返ることが割と簡単。特に昨年からリモートワークで殆ど外に出ない自分にとっては時間の流れや節目を感じることがとても難しくなっていたからこんな簡単な振り返りでも自分の一週間を締めて次を始めることができる。週ごとに堤防ができた感じかな。嫌だったこととかうまくできなかったことをだらだら引きずる癖があって(しかも引きずりながら特に解決策を模索するわけでもない)感情に飲まれがちで集中力が欠けて常に不安定みたいなことばかりだったから少しでもそれを楽にしていくという試みでも良い効果を発揮していると思う。

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そして同時にやってくるのが1ヶ月の振り返り。といっても特別なことを書くわけでもなくて読んだ本とか、聞いてた音楽について記録していくだけ。あの時わたしは何を取り込んでどんな風に世界を見ていたんだったけって数年後に読み返せたら面白いなというそんな理由でゆるく続けていければいいなと思っている。昨年学んだことの一つにあるのがなんでも全部やるぞ、と意気込まないこと。それはわたしの体と心にとって、とても必要なことだった。だけど世界や周りがすごいスピードで走り去っていく時、わたしはどうしてもそれに置いていかれるのが怖くて必死になってしがみついていようとした。最近、開き直りなのか何かわからないけど少し自分の中で何かが吹っ切れてきた気がしている。あんなに人にどう思われることが気になっていたわたしは時間は限られている、というのをすごくリアルに感じる小さな瞬間があった。そんなことを考えていた時、他者や社会になんとかして認めてもらおうともがいている自分がかわいそうで少し馬鹿馬鹿しく思えた。こんなことやってらんないよ、みたいな変な怒りも湧いてきた(自分が自分にやっているのに)まあそんな理由でまたやりたいことをやりたいペースで続けていこうと思えたわけで、こうしてブログを一年振りに書いている。

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読んだ本
『The Mercies』Kiran Millwood Hargravewww.goodreads.com
なぜ女が強く逞しく生きてはダメなんだろう。なぜ先住民の人々の世界観は常に西洋社会の敵にされ続けなければならないんだろう。前に観た『サーミの血』を思い出した。https://www.uplink.co.jp/sami/

『Eleanor Oliphant Is Completely Fine』Gail Honeymanwww.goodreads.com気付かないくらいに小さなことがこんなにも自分を傷つけていたのか。ここまで抱え続けてきたのか、と改めて自分の過去や記憶を手繰り寄せて見つめてみようと思った。

『Swimming Back to Trout River』Linda Rui Fengwww.goodreads.com自分たちにはどうしようもできない国や時代の流れ・動きに囚われながらも同時にそれぞれの道を開拓し続ける人々たち。運命なんてもので人の道を適当に片付けてしまいたくない。それでもわたしたちはその中で選択をし、自らの生を生き通していたんだという叫び。

『水中の哲学者たち』永井玲衣bookmeter.comわたしがずっと感じていた不安定な気持ちはおかしくなかったんだ!って安心できたのと同時にもう少し人と話してみたいという気持ちにさせてくれるとても不思議な本だった。ゆっくりメモを取りながらまた読み直している最中。

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聞いた音

ずっと好きで何度も聞き直している曲たちを元にノスタルジアプレイリストを作ってみた。open.spotify.com

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観たもの

マギー・ジレンホール監督の初長編作品『The Lost Daughter』youtu.be観終わった後もずっと頭の片隅で渦を巻いている。アップになる女性たちのシーンを思い出して胸が締め付けられ、どこか遠い記憶を掘り出しているような感情の波に襲われる。女というカテゴリーに勝手に分類される社会へ生まれてしまったという絶望みたいなものと同時になぜわたしたちが絶望しなきゃいけないんだという怒りが滲み出ていて、それはわたし自身が社会で生きる中で多々思っていたり経験したいたことと重なっている。

『Archive 81』シリーズyoutu.beカセットテープ、ビデオテープ、写真などを修復するアーキビストの主人公があるビデオテープの修復を頼まれたことから始まるホラーサスペンス。主人公の過去やトラウマ、精神状態をうまく絡めながら何が本当で何が幻覚なのかわからなくなってくる。元々ホラーは苦手であまり観ないんだけど設定や内容がどんどん引き込んでいく。

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いつも1ヶ月という時間の流れがあっという間すぎて一年のこんな感覚の積み重ねであっという間になくなってしまうと思うと気持ちが焦って少し絶望してしまうけどこうして1ヶ月を振り返るのはその時間、確かにそこにいて日々を過ごしていたというのを記録しておくため。