もう何を詰め込んだのかわからなくなってしまった。

悲しみを埋めるためにわたしは食べたくもない空っぽの情報の粒を次々詰め込む。
もう何を詰め込んだのかわからなくなってしまった。

あれ、今何をつかんでいた?
わたしはどこへ向かって歩いているの?
鏡に映っているのは?
このカフェを選んでそこに足を踏み入れるのは?
なんでその色を選んだの?
なんでそこに行きたいの?
ねえ、それは本当にわたしという名のあなたなの?誰なの?

Instagramの横に流れていくストーリーの数。
Twitterの終わりのない呟きの滝。

決して追いつくことのできな誰かの人生と憧れの生活と切り抜かれて加工された写真たち。美しく編集された言葉とあらかじめイメージ通りに作り上げられたオンライン上の「わたし」というキャラクター。終わりのない始まりと、常にどこかで何かが始まっている世界でわたしは。

比べれば比べるほどに抜けられない沼。
わたしは一体全体ここで何をしているの?あの人はこんなに成功しているのに。こんなにたくさんのことをやっているのに。ねえなんでわたしはまだこんなところでくすぶっているの?なんであの人やあの人みたいにできないの?

それはマントラみたいにわたしの心の端で渦巻いてだんだんと身体中に広がっていった。時には息がとても浅くなって息をしていないみたいになった。すべてが怖くて希望なんてない。わたしはもうここから廃れるだけなんだという絶望だけが残った。

タイムライン上を滑る指の下をくぐってわたしの意味不明な呟きだって消えていく。そこにあるのにすべて消えていく。これが虚無感の、埋められない悲しみの、寂しさの正体か?

わからないので呟きと写真の投稿はわたしという存在の小さな確認のためのみとしよう。少しずつあそこからここへと戻ってくるプロセス。その他大勢からわたしへと戻ってこよう。

おかえり。





mugiho