歴史的観点とは

 

他者との関係性について考えていた時、思い出したのが(少しだけ通っていた)大学の1学期で履修したIntroduction to Historyの授業。

 

今であまり「歴史」というジャンルに興味がなかった自分に新しい世界への入り口を示してくれたいまでも覚えている好奇心を刺激する面白い授業だった。

 

彼が最初に発した問い「歴史的観点とはどんなものなのだろうか。

教授の専門はイギリス史なのでそれらを題材にしながらあらゆるジャンルの歴史をカバーするというスタイルで一学期間授業を受けた。毎回新しい歴史の形にわくわくし次はどんな世界があるんだろうと楽しみに臨んでいた。

 

 

教授が始終言っていた言葉がある

  「歴史的背景からその事象をみること」

 

現在いまの自分から見るとその当時の歴史にある人々の行動はなぜこんな意味不明なことをしているのだろうか、と疑問に思うものばかりだった。それでは彼らの環境に戻ってみよう。そう言って教授が話し始めたのは当時の国のシステムだった。

 

1800年代には国の規則である門限が8時くらいでこの時間には絶対明かりを消さなければいけないとうものがあった。これによって成り立ったのがSegmented Sleep(分割睡眠)というもので近頃までのわたしたちの睡眠サイクルであった。

 

明かりを消すからには無理にでも寝ようとする。そして8時くらいから4時間ほど寝た後、真夜中に起きて活動を始めるのだ。この時間、普通に家事をしたり本を読んだりしていた。中には自分の夢を分析したりする人もいた。これによって自分と向き合う時間、自分について静かに考える時間を設けていたそうだ。現代でいう朝活みたいなものだろうか。そして2時くらいにまた眠りにつきそのまま朝の6時や7時くらいまで4時間程眠る。起きたらまたいつものように1日がはじまる。トータルで睡眠時間は健康的だし、一日の活動に支障もきたさない。むしろ、細かい自分のための自由時間を夜に回してその分昼間にはやるべき仕事に集中できるのではないか。

 

その睡眠サイクルの名残が現代の私たちの脳にも残っている人々が多くいるという。健康のために連続で8時間寝なければならない、という定説が聞かれるようになっていた社会に新しい風を吹き込んだ歴史からのメッセージ。しかもこれらの発見は歴史的証拠から解明されたもので、当時その時間に多くの人たちが自己分析のもとにつけていた日記などからわかった事実である。

 

私たちが「当たり前」だと思い込んでいる日常は、それぞれの背景によって意味づけも理解も大きく変化してくる。それは歴史という時間的なものだけではなく他者との関係性にも言えることである。それぞれの個人の背景というものによって理解されたそれぞれの事象は違う意味を持ってくるのだ。相手の理解をわかろうとしなくていい。ただ、その背景が存在していることを認めること。それによって自分の世界は広がっていくだろうし、自分×他者から創造される何かがある。それは決して自分だけではたどり着くtことのできない世界。

 

そのために歴史を学ぶのかも、と自分の中で

歴史に対する新たな意味が生まれた

 

 

mugiho

 

分割睡眠について

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