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【THOUGHTS】最近思うこと、ただ「みる」という感覚

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[ We Heart It ] こんな写真が撮りたいです。

 

最近思うこと

それらは様々な瞬間にやってくる 自分の中に根を下ろしたり、

逆にものすごい勢いで過ぎ去っていってしまうからパッとつかまないと

ふと思いついた時に読み返してみたりするととても面白い

 

まるで自分を東西南北、違うカメラのレンズで覗いているみたいだ

 

 

夢とやりたいことを100書き出すこと

これは昔にやってみようと思ったけど、

あんなに毎日これやりたい、何食べたい、どこ行きたい、

と思考の垂れ流しのようにいろいろ言っているわりには、いざ書くとなると

全然書けないのです。しかも書いてみても、誰が書いたかもわからないような

ことしか出てこないんだ。なんで。あんなにいろいろやりたかったはずなのに。

でも、もしかしたら頑張ってそれを通り越すところまで書くと、

あるところを超えて自分の奥深くに眠っていたやりたいことが

溢れ出してくる気がするんだ。だからと言って、最初に書いていたものが

すべて嘘だとは言わないけど、でも多分世間を気にしてかっこいいこと

いってみようっていう自分もいると思うんだよね。その先が見たい

 

ただそれだけ

 

単純な理由から始まる何かがあるのかもしれないという密かな期待

 

 

髪の毛を伸ばすこと

ここ数年はセミロングとかあとはボブで過ごしてきたけれど、

きれいに髪を伸ばしたいなと思った。唐突に思ったことだけど。

早速明日にでもつげ櫛を見に行こうかなと少しワクワクもする。

 

音楽に没頭してみること

音楽だけをきく。やっていそうで思えばなかなかそんなことしていないよね。

歩いたり、電車に乗ったり、バックグラウンドミューッジクとして後ろで

構えているときが多い。 それを夜とかに、音楽だけに集中してきいていると

いままで気づかなかった細やかなドラムやピアノの音、弦のさざ波のような

響き合いがきこえてくる。夏の夜に虫とカエルと遠吠えが聞こえるみたいに。

 

時々すべてに対して色々思うことをやめて目の前にあることを

そのまま「みる」という感覚をもっと大切にしていきたいんだ。

明日なんてすぐにきてしまうし、楽しい時間というものは一瞬。

でも自分が生きている大半の「日常」はみんな素通りしてしまう。

当たり前すぎて、目をつむってでもこなせてしまうから、みない。

そして明日の心配、将来の心配、まだまだ先のことに心を焦らせて

あれこれ思っているうちに気づけば何十年の月日が飛んでいる。

 

そうじゃないんだ。

もっと「みる」んだよ。

目の前にある「いま」を今日の夕飯の献立やこれからこなすべき

課題を忘れて。自分の存在しているその空間を味わってみようよ。

いままで見過ごしていた何かに出会えるかもしれないんだ。

 

 

muuu

 

 

 

 

【THOUGHTS】やるしかないぞ!精神論

 

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(picture: We Heart It)

 

今日、留学先の学校に学費を送金してきた。

2年分の学費を払ってみたらこうして覚悟って決まるんだなと

 

ここ数日バタバタしていた留学手続きを振り返っていると、早くここから

飛び出したい!ってバカの一つ覚えみたいに願っていた頃の自分を思い出して、

ずいぶんと遠くまでやってきたんだってひとりで感傷的になっていたりもする

 

自分は決して行動的ではなくて(むしろずっと考えて立ち止まってしまうタイプ)

だからひとつのことをはじめるのにもとても時間がかかるし、永遠とあらゆる

最悪のシナリオを考えつくことができる. それはもうバラエティに富んでいて、

映画なんかにできるんじゃないか?ってくらいで(盛りすぎました笑)

その中でもやはり「恥ずかしい」とか「人からどう思われているんだろう」

っていう自意識過剰な自分が一番前に出てきます. この自分がでてきたときは

その感情と前に進んでみたい、だけど...っていうそのふたつの狭間で揺れます.

でもとんでもなく周りを気にする割には、あまりにも馴染めなさすぎて、それが

やっぱり不安や恐怖をあおってくる. 本当はこんなこと思いたくないのにって

 

ガンガン外にチャンスを掴みに行けるほどの能力もコミュ力もないけれど、

でもそんなことを言ってたら一生自分のやりたいこと、行きたい場所になんか

たどりつけないじゃない?結局はやったもん勝ちであるっていうのを最近すごく

実感している. そしてくよくよ悩んだり、自分にないものについて嘆いていても

何も解決しないということを自覚する. そんな言葉を(厳しいなと思いながら)

自分にかけるようになってはや半年. 日本の大学ともさようなら. 面白くないなら

何か違う方法を考えればいい. この時代にはいくらでもチャンスはあって、そして

自分から動けば、失敗もするかもしれないけれど、それだって人生だもの、

逆にだからこそ人間なんだものって言って開き直ればいいだけで、そうやって

自分の中からしか本当に前に進んでいくエネルギーって生み出せないと思うんだ

 

はい、これぞ本日の題名の「やるしかないぞ精神!」

 

こうして、遠回りになったり、周りから変な目で見られることはとんでもなく

怖いし、でも同時にその変な目で人を見るっていう自分になるのがもっと怖い

常にそこにある二種類の恐怖. 怖がりだけど、道が二つしかなかったらどうする?

答えは人それぞれだと思うし、それには正解はないし、価値観や環境の違い、

たくさんの複雑な要素が絡み合っている. でも決してどちらかの側をあざ笑ったり

上から決めつけることはしていはいけないと思う. ここに書いてあるのは私という

人間の感覚であって、それに同意するも、おかしいだろ!っていうのも自由だけど

こんな考えとか生き方もあるよっていう提示だけで、それ以上でもそれ以下でもない

 

でもチャンスがたくさん転がっているというのは本当のことで、もっと

たくさんの人たちがそのチャンスとつかみに行ってくれるきっかけにでも

なれればなと密かに思っていたりもするのですが. 自分の周りには才能、能力、

人柄、技術、それぞれに長けている人たちで溢れていて、思っているよりも

簡単にそれらを形にしていける彼らがこの世界で活躍できればいいのにって

思ってしまう. とんでもなく余計なお世話かもしれないけれど、それを必要と

している人たちがいるのも事実で、だからそこが合ったときに生まれる世界は

きっとぐんと進化して、わたしたちの未来を創造していく大きな原動力となる

 

時間は有限なんです.

それは気づかないうちに過ぎていって、気づいたときにはもう遅い

だからやるしかないんですよ. 怖くても、不安でも、吐きそうでも、

やったことないからそんなの当たり前だし、やってみて意外にもうまく

いくっていうパターンがあまりにも多すぎる. 少しでもやってみたい、

興味がある、学びたい、知りたい、と思ったらそのまま素直に受け止めて

 

こうして何もできない人間でも何かやろうとすれば動ける世界なのだから、

(本当に!自分の周りにいる素晴らしい人たちにもっと人生楽しんでほしい、

就活とか、周りからの目とか、いらぬ助言とか、そんなことで無駄にしてほしくない)

そんな人々が動いていく「これから」ってどうなっていくのかなっていう

希望と楽しみとそれに気づいてくれるといいなっていうちょっぴりの不安と

 

 

muuu

 

 

 

 

【THOUGHTS】映画が好きです 

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やっぱり映画はいいよ

世界に飲み込まれていくよ

聞こえる小さな物音や風の声まで身体中を駆け巡っていくあの感覚

 

目の前に広がる空気感とそこに自分が立って、

ときにはそこにいる人物と共にあって、

ときには違う!って叫びたいくらい真っ向から

争いたくなって あの表情 仕草 音楽 光 映画だ

 

あの永遠みたいな物語はなんだ

 

いきなり続きがあるはずのところでぶっつり終わってしまうのは?

 

泣いて、怒って、笑って

胸の高鳴りに時々耳を澄ましながら、

気づけば真っ黒な画面にたくさんの人物の名前が連なり

あぁ映画にはこんなにもたくさんの人たちの想いと人生が

織り込まれているんだというそのスケールに倒される

 

そこにある世界はこの現実をまっすぐに直視させてくれるレンズ

 

終わった後に見える世界が全く違うのは、

もういままでの自分は存在していないからだ

 

その作品のに触れた時点で、すべてが変わってしまった

そしてそれはどこまでも広く波及していく終わりのない物語

 

人の心の中で、小さな灯火、ゆらゆら頼りなく揺れる炎はまるでひとりで

ぽつんと佇んでいる灯台のようで、でもそれは多くを照らし出す

 

見えなかった世界を見るときのその感覚は、広がり続ける

国境を越え、時代を超え、それは歴史と共にあって、わたしたちの心に生きる

 

映画というのはそういうものだよ

 

何が言いたかったかというと、映画が好き

 

ただそれだけです

 

 

 

muuu

 

 

 

【THOUGHT】どこにもいない

 

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新年度を迎える日本社会。

そこから疎外されたかのように毎日ひたすら調べ物して、週末はバイトして、

本を読んで音楽をきいて、どうやったら自分のやりたいことができて、

前に進んでいくことができるかを考えて、荷物の整理をして、街を歩いて、

ときにはホッと一息をついて、忙しく過ぎ去っていく人を眺める二十歳。

 

なんの身分もなければ所属も何もない。

学生でもなければ(休学中)、フリーターでもなくて、そもそもそんな言葉で

規定できちゃうほど人間って単純なものだったのかな?当たり前とか常識とか

普通っていう言葉の中に身を置けば置くほどに違和感を覚えるか、その感覚が

鈍っていくかの二極化した世界。ここにはいま言ったようなことがルールとして

掲げられていて、そこには無意識にそれを意識した場所ができあがっている。

 

これが一番怖い。

誰もそんな風にしなさいって言っているわけではないのに、明確に記されている

わけでもないのに、きれい完璧に足並みが揃っていく社会。そこを覆う空気には

自分がうまくはまることのできないルールが設定されていて、何をやっていいのか

ダメなのかがわからないからこそ、一番安心な周囲の空気に合わせていれば安全。

 

リスクを常に取り続ける。

それによってたくさんの扉が開けてくる。知らない場所に行って、思っても

みなかったようなことに挑戦して、初対面の人の話しかけてみて、あとちょっと、

足を伸ばしてみる。それだけで、いま自分がいる小さな空気の箱の外には広くて

想像もしなかったような空と音が広がっていることに気がつくんだよ。

 

飲み込まれないで。閉じ込めないで。

その思いと想像力と歩いていける足と勇気と挑戦していく覚悟があれば

どこまでもいける。それは必ずしもきれいな結果としての形にはならないかも

しれないけど、そこまで自分で考えてリスクをとったプロセスはなくならない。

 

どこまでも歩き続けていこう。

 

 

muuu

 

 

伝える力

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2014年の夏に初めてのアルバイトを短期で1ヶ月したのがきっかけで

そこで出会った先輩と意気投合し、今日は久しぶりに会って朝の10時から

18時まで息つく暇もなくぶっ通しで語り尽くしてきた。たくさんの配属が

ある中でたまたま同じところになる機会が一回だけあってそこでちょっと

話したらすぐにどんどん話のスケールが広がっていって、ワクワクした。

私が辞めたのと同時に先輩もドイツに留学してしまってそこからだいぶ

長い間会っていなかった。昨年数回会った時も、すごかったけど今回の

お互いの熱は今までになかった何かがあった。それはそれぞれが大きな

変化に節目に立っていたということが大きかったのかもしれない。

 

こんなにたくさん話したのは久しぶりだし、自分の思っていたこととか

考えていることを思い切りぶつけてそれに対して真剣に返答してくれる

彼女と出会えた自分の運の強さを会うたたびに自慢したくなるほどだ。

 

こうして人と出会う機会ってふとしたところからやってくるんだなというのは

自分の今までの20年の中で常日頃思ってきたことだったけど、ここ数ヶ月の

自分の人とのつながりには今までになかった勢いみたいなものがある気がする。

 

人見知りだし、社交性のかけらもない自分に対していつもコンプレックスを

抱いていた。それは簡単になくせるものではない。でも人の話を聞くことは

自分にもできる。だからそれに集中するようにした。自分が言いたいことは

うまく言葉にできないことが多いから、その前にじゃあ聞けばいいって。

 

そうしているうちに、自分の中でもこんな風にすれば言いたいことが

形になるかもしれないということばの手触り?みたいなものが少しずつ

つかめるようになってきた気がした。初めて会った人には相変わらず怖くて

うまく話せないけど、むしろうまく話そうとしなくていいんじゃないかな。

 

自分なりにこんなことが言いたいかなっていうのを一段階段を上っていく

みたいに、その階段を踏んでいくことで辿り着ける場所がある気がする。

 

でも同時に伝えることっていうのをもっと学ぶ必要があると思った。

こうしてブログに書いている自分の文章とか他の場で書くものはいつも

長くて読みにくくて、学校の課題でもやっぱり同じような傾向が出てくる。

自分の欲張りで目移りしやすい性格が全面に押し出されているみたい。

長くなれば途中で面倒くさくなるかもしれないし、何を言いたかったのか

わからなくなってしまう。いままで避けて通ってきた「伝える」という

ことを本格的に学び始める時期なんだと今日話している中ですごく感じた。

 

人と話しているとたくさん気づけなかったものに導かれる。

その新しい世界の発見が楽しくて、人と会うのが楽しくなっている自分がいて

その変化に驚きつつも、何かが少しずつ変わってきていてるんだと思う。

 

あ〜やっぱり世界って広いんだなって。

 

 

muuu

 

 

 

【MUSIC】Spring Playlist

 

ここ最近はとてもポップでわんわん耳元で鳴る音を求めている。

静かにじっくりと浸れる音楽も同じくらいに大好きだけど、その時の気分や

季節の空気感でききたい音が常に変化している。この時期はなんだかとても

飛び跳ねたい気分だからこんなものをたくさん聞いているよ。そしてたまに

夜なんかにDaughterとかBon Iverのアルバムを一通りきいて眠りに落ちる。

 

1. Fashion /  The Royal Conept

ファンキーでエッジの効いたスタイル!本当にスタイルが良い!

それが音から滲み出るからこれを聞いているたびに踊りだしたくなる。


The Royal Concept - Fashion (Lyric Video)

 

2. Blow Me (One Last Kiss) / P!NK

これは元気のない時にものすごい大音量できく私の定番元気ソングで

just when it can't get worse, I've had a shit day (NO!)

Have you had a shit day? (NO!), we've had a shit day (NO!)

の部分を叫ぶのが最高に気持ちいいです!ぜひぜひストレス発散に!


P!nk - Blow Me (One Last Kiss) (Color Version)

 

3. Craving / James Bay

彼の歌詞はどれもうまいなといつもききながら思う。

当たり前なんだけど、すごく近くにくるものがある。

And I'm craving, craving, craving something I can feel

Where do I go, what do I need, is it ecstasy or is it fear?

Am I on my own, am I even close

'Coz I'm craving, still craving something I can feel


James Bay - Craving (with lyrics)

 

4. Wonderful / Janet Devlin

彼女の独特の声と物語みたいな歌詞、作詞作曲の才能に

オーディションの時からただただ驚いて、どんどん好きに

なっていく。この曲をきくと笑顔(ニヤニヤ?)が止まらない。


Janet Devlin - WONDERFUL (Official Video)

 

5. Gold Rush / Ed Sheeran

Ed Sheeraの曲はすべて好きですが、この曲にみなぎる素朴さ、

歌詞とビートとギターのとんでもない相性、耳にはりつきます。


Ed Sheeran - Gold Rush + LYRICS

 

6. Hustler / Josef Salvat

彼の曲はどれも声からもうクールさが香ってくるんだけど、

その中でもダントツがこれでしょうね。ダークだけど暗くない。

映画『ドライヴ』の雰囲気と似た雰囲気がある。たまらない。


Hustler-Josef Salvat (lyrics)

 

7. Alone|With You / Daughter

Daughterの新しいアルバムの中でも特にお気に入り。

きいていると音がどこまでもこだましてくみたいで、急に音が自分を

取り囲んで、真っ暗闇の森の真ん中に置き去りにされていくみたい。


Daughter - Alone/With You (Official Audio)

 

8. Towers / Bon Iver

彼の音楽はもちろんのこと、MVがとても好きだね。

どこまでも続いていく音楽な気がするのです。だんだん暗くなって

太陽が沈んで暗闇がやってきて、少ししたら青白い空から光が差し込んでって

いうそんな流れをすべて覆い尽くしている感じがする、彼のが音楽はすべて。


Bon Iver - Towers (Official Music Video)

 

9. Jasmine / Jai Paul

かっこいい。ただそれだけ。

Jai Paul - Jasmine (Demo)

 

10. Take a Walk / Passion Pit

すべてを投げ出して散歩に行くときに最適。

なんだかどうにでもなるよね、っていう感じになる強い曲。


Passion Pit - Take a Walk

 

春のプレイリストはこんな感じ。これからが少しずつ見えそうで見えない

もどかしい時期はこんな風にして音楽に背中を押してもらっている。

 

音楽は空気を背負える。

そしてすべての感覚に入り込んでくる。

言葉と音が身体中に染み渡る。

お気に入りの小説を読むときみたい。

 

 

muuu

【BOOKS】『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子

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『すべて真夜中の恋人たち』川上未映子

 

「ひとそろいの実感も手応えもあるから、混乱するのね。

でも信じきれない。だからいったいこれはなんなんだろうって、

何か思ったり感じたりするたびに、そんなあほみたいなことを

思うのよ。感情みたいなのが動くたびに、白々しい気持ちと自分が

何かに乗っ取られてるような気持ちになって---気がついていなかった

だけで、じつは物心ついた時からわたしが生きてきたって思いこんで

いるものは、しょせんそんなものだったんじゃないのかって、まぁ

そんなふうに感じるってことなのよ」   わたしは肯いた。

 

久しぶりに夜のつめたさをあびたみたいだ。

その言葉は、どこまでも本物で、どこにでも転がっているようなシンプルな

単語の数々なのになんでこんなにも身体中に染み込んでくるんだろう。

 

思えば、彼女の作品を初めて読んだ時もそうだった。

『ヘヴン』はとてつもなく、儚くて苦しい物語だった。でもそれが、

いつまでもねとねと張り付く嫌な感じではないのはなぜだろうか。

爽やかっていうことばでもない、もっと研ぎ澄まされたかんじ。

空気や自分を包み込む雰囲気にそのまますっと入り込んできた。

異物排除の警報も鳴らなければ、クシャミも出なかった。

ごく普通に、当たり前みたいに、気付いたらそこにあって、私はその苦しみと

小さな幸福とどきどきと、すべての少しを自分の中に取り込んでいた。

 

34歳のフリーの校閲者として働いている冬子は人と関わるのが苦手で、

ぼーっとした人生を生きていた。(自分でそう思っているらしい)

たまに電話や仕事の関係でやりとりする気の強い聖とこれもまた、

ごくたまに現れる冬子の過去の人々。そして、出会うはずなかったのに、

出会ってしまった三束さん。カルチャースクールで講座は受けられなかったけど、

彼に出会えた。毎週木曜日の午後に喫茶店で交わす他愛もない会話の数々は

この大きな大きな宇宙とか地球とかの中ではもう本当に本当に小さくて、

それこそ規模からしたらクォークみたいな感じなのかも。

それでも冬子は彼をすきになる。その時に自分を駆け巡る未知の感情の数々。

これはなんだろう。必死になってそれらをどうにかしようとする冬子。

頭が痛くて、体が重くて、とにかく眠い冬の季節。

そして、少しずつ彼女の世界は開けていく。

 

まず思ったのが、冬子の人柄について。

ずっと周りに流されて生きてきた。ぼーっとしていて、いつも人の口から

出てくる言葉に肯いている。自分から物事に関わっていくような度胸も勇気も

なくって、人見知りで口下手な冬子。それなのに、ふと気づけば彼女に思い切り

ビシッと叩かれているのだ。なんだ、この不思議な人は。誰だ。何を考えている?

 

よく読めば、彼女は誰よりもしっかり自分を生きているよ。

少なくとも読み終えた時にはそんな風に、とても清々しい気持ちで、

明日の自分にもほんの少しだけ希望を持てた。ありがとう。

彼女のぼーっとしたような性格?人格?人柄?があるおかげで、

彼女は誰よりも強かった。そこには無駄な競い合いとか、駆け引きとか、

嫉妬ととか外へ対する無駄エネルギーの消費が一切なかった。

とてもとてもシンプルだった。だからこそ、そこに「すき」の感情が

芽生えてくる過程とか、聖に対してバシッと言ってしまうとき、

読んでいる私もハッとさせられるのだった。

 

でもだからと言って、冬子が何も感情もない空っぽでつまらない人間なのかと

言われれば私はそれに強く反論する。誰よりも一番複雑でどうしようもない

感情の波に飲み込まれて、溺れ掛けているのは彼女なのだから。

繊細で、とても真っ直ぐな彼女から出てくる言葉は拙くて、ゆっくりで

(ごめん、私にはちょっと遅い笑)、ひとつひとつを噛み締めていくみたい。

だからこそ聞く側も耳を澄まそうとするのかな。わからないけど。

 

自分はこんな風な感覚をあまり持ったことはなくて、そんな風に時間が

過ぎ去っていくことに常に後ろから追われているような忙しなさから

逃れることができない。人物でいうと思っていることや態度や気持ちは

聖に似ているのかもしれない。だからこそその対照みたいな冬子の心の中は

とても新鮮で全く違う世界を覗いているみたいで、逆にどっぷり入り込んだ。

 

自分がその中にいる感覚っていうのは一度外に出てみないとわからないように、

外から入ってくるからこそわかることもあるんだなと思った。

 

それなのに、冬子が感じるとてつもない緊張とか、人混みの中にひとりで

ポツンと佇んでいるようなその背中の気持ちは気持ち悪いほどのよくわかって、

夜の空気とか、影や光のことばの映り方とかはぞくぞくするほど美しくて、

うなずいて、唸ってしまうのだった。

 

小説家はすごく多くの人に語りかけることができるんだな。っていうのを

すごく感じた。ここずっと小説ばかり読んでいたけど、最初はうーんと

思っていてもどこかしら一箇所、「ここだ!」って思えるところがある。

 

うん、やっぱりすごいな。

 

 

動くものと動かないもののあいだを満たしてゆくインクのような夜の濃さを、

わたしはコーヒーカップに唇をつけたまま、ぼんやりと眺めていた。

 

 

 

muuu

 

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)